2011年4月7日木曜日

iPad2のメモリー・タッチパネルに日本製部品、地震で供給遅れも

 米国で3月11日にアップル社のiPad2が発売され1カ月近くが経過した。日本では3月25日の発売を予定していたが、東日本大震災により延期。明確な発売時期は現在も分からない。

 日本の株式市場からすれば、どの程度日本製の部品が使われているかに関心が集まるところだ。基本的にアップルから発注を受けた企業は守秘義務から明確にアップル社に納入しているとは答えないため、よく各メディアに使われている「iPad(iPhone)には○×社製の部品が使われている~」というのは、実は報道側の憶測に基づいているに過ぎない。

 ただ、各部品にはメーカー名が刻印がされている場合や部品としての特徴があるため、ある程度は特定できる。海外のサイトではiPad2の分解・解析が行われており、すでに複数の部品メーカーは判明した。分解で分かったことはiPad2はiPhone4の設計とかなり似ていることだ。iPhone4では日本製部品はあまり使われていなかったが、iPad2も案の定、日本製の部品はそう多くない。

 もっとも基幹部品に複数の日本製部品が使われているようで、地震による部品納入の遅れが懸念されている。場合によってはアップルの販売戦略にも影響を与える可能性がある。なお、部品原価と製造コストを加えた推定原価は330ドル前後という。(宮尾克弥)

<iPad2主な推定部品メーカー>

・プロセッサー、NAND型フラッシュメモリーチップ=サムスン電子(韓国)

・入出力コントローラ、タッチスクリーン・コントローラ、GPSチップ=ブロードコム(米)

・タッチスクリーン・ラインドライバ=テキサス・インスツルメンツ(米)

・電力管理IC=ダイアログ・セミコンダクター(独)

・オーディオコーデックIC=シーラス・ロジック(米)

・電源管理チップ、マルチモード対応ベースバンドプロセッサー=クアルコム(米)

・デュアルモードCDMA/AMPS対応パワーアンプIC=スカイワークス・ソリューションズ(米)

・フロントエンドモジュール=アバゴ・テクノロジー(米)

・NAND型フラッシュメモリー=東芝<6502.T>

・DRAM=エルピーダメモリ<6665.T>

・電子コンパス=旭化成エレクトロニクス(旭化成<3407.T>)

・バッテリー=アップル・ジャパン経由で納入しているとされ、日本メーカーの可能性大

・6、3軸加速度センサー=STマイクロエレクトロニクス(スイス)

・タッチスクリーン=LGディスプレイ(韓国)、シャープ<6753.T>や東芝<6502.T>の可能性もあり

・タッチスクリーンガラス=旭硝子<5201.T>

・配線基板=イビデン<4062.T>、トライポッド・テクノロジー(台湾)、TTMテクノロジーズ(米)

・あくまで推定であり、実際にこれらの部品メーカーが使われているかは不明。

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